ディープウェル用水中ポンプの電力使用量算出方法に関する疑問

この資料は、ディープウェル用水中ポンプの電力使用量について、積算値と実績値の比較検証を行ったものである。
使用した水中ポンプは φ150mm×22KW×200V×10台(常時排水) である。

① 三相交流の電力および電力使用量算出式

P = √3 ×λ× E × I
W = P × t
P : 電力 (W)
λ : 力率
E : 電圧 (V)
I : 定格電流 (A)
W : 電力使用量 (WH)
t : 稼働時間 (H)


② 水中ポンプ(φ150mm×22KW)の1時間あたり電力使用量

λ = 1.0 (100%)、E = 200 (V)、I = 81 (A)、t = 1 (H) 上①の式に代入する。
P = √3×1.0×200 (V)×81(A) = 28,059 (W) = 28.1 (KW)
W = 28.1 (KW)×1 (H) = 28.1 (KWH)
※使用電力量を最大値と想定し、力率λ=100% とした。


③ 電力使用量(夜間)の実績

W1 = 93,794KWH (λ=100%) ・・・ 電力会社請求書より転記
運転時間  t = 31 (日)×10 (H/日) = 310 (H)
夜間となる時刻 PM10:00~AM8:00
ポンプ稼働台数  N = 10台


④ 上②を基にした電力使用量の算出

W2 = 28.1 (KW)×31 (日)×10 (H/日)×10台 = 87,110 (KWH)

 
⑤ 下水道用設計積算要領に基づく、ポンプ電力使用量(夜間)の算出

W3 = ポンプ出力(KW)×0.584×揚水運転時間(H/日)×揚水運転日数(日)×ポンプ台数
  = 22 (KW)×0.584×10 (H/日・夜間)×31 (日)×10 (台)
  = 39,829 (KWH)


⑥まとめ

電力使用量(夜間)の算出結果等を以下に示す。

・実績値(電力会社内訳明細)  W1 = 93,794 (KWH) ・・・235%
・ポンプ仕様に基づく算定値  W2 = 87,110 (KWH) ・・・219%
・積算要領に基づく積算値   W3 = 39,829 (KWH) ・・・100%

積算要領に基づく電力使用量積算値を100%とすると、ポンプ仕様による算定値および実績値は200%を越えていることがわかる。
本件の場合、積算価格の2倍となる電力使用料金を支払うことになる。
積算要領に示されている電力使用量算定式中の【0.584】が原因のように思える。
ちなみに、ウェルポイント用ポンプの場合、【0.584】に相当する数値が【0.90】となっている。
建設機械等損料表の燃料消費率欄には以下の記載がある。

・小型渦巻ポンプ    0.900 kWh/kW
・真空ポンプ      0.900kWh/kW 
・工事用水中モーターポンプ(潜水ポンプ) 0.584kWh/kW

小型渦巻ポンプと真空ポンプはウェルポイント用ポンプであり 積算要領の燃料消費率【0.900】に一致している。

水中ポンプの【0.584】は実態調査結果等から決定された数値だと思われるが、積算数値と電力会社実績値に大きな開差が生じることに疑問が残る。